世界中にはカルト映画が溢れています。一部の人しか喜ばないような、ニッチな作品たち。今回紹介するムカデ人間は、その代表格と言っていいでしょう。
あまりにも非人道的な内容で、かなり視聴者を選ぶ映画です。
グロに耐性のない方、おとなしくブラウザバックして他の記事を読んでください!
ムカデ人間のぶっ飛んだあらすじ
シャム双生児の分離手術の権威ヨーゼフ・ハイター博士には、ある恐ろしい願望がありました。
「生物を、人間を連結させたい」
そのサイケデリックな実験の餌食となったのは二人の女性アメリカ人と、一人の関西人。彼らを昏倒させ、博士は嬉々として身の毛のよだつ手術へ着手しました。人体の口と肛門を連結させ、ムカデ人間を作る壮大な野望。
「さぁ、起きるんだ」
かくしてムカデ人間に仕立て上げられた被験者たちの運命はいかに!?
レクター博士も仰天のヨーゼフ・ハイターを解剖!
この映画の魅力はえげつないムカデ人間よりも何よりも、ヨーゼフ・ハイター博士その人にあります。
常人では理解できないことを平然とやってのけ、実験に対する異常なこだわりを見せる彼は一体何者なのか?メスを入れていきましょう。
①シャム双生児分離手術でブイブイ言わしている
シャム双生児とは、出生時に体が結合している双生児(双子)の事です。言うまでもなく病気なのですが、生命に差し障りのない部分では分離手術ができます。
ヨーゼフ・ハイター博士は繋がってしまった二つの体を切り離すのが得意技で、そのうち「逆もできるんじゃないか」と医学的にも道徳的にも180度真逆の実験に興味を持ったサイコ野郎です。
実はモデルとなった人物がいます。ナチスドイツ時代の医師ヨーゼフ・メンゲレです。メンゲレは双子を繋ぎ合わせて結合双生児を人的に作り出す実験をしました。当時異常者だらけだったナチスドイツでも飛び抜けてますよね。一体何の意味があるのかわかりませんが、人間の好奇心とは恐ろしいものです。
②間抜けでどこか憎めない?
サイコな博士って、不気味で不敵な雰囲気を漂わせているのがほとんどです。ヨーゼフおじさんも例に漏れず、その冷徹で残忍な人間性は恐怖を感じます。
しかしヨーゼフおじさん、やけに詰めが甘い。甘すぎます。実験体が逃げ出そうとするのは日常茶飯事で、そのじゃじゃ馬っぷりには手を焼きっぱなし。意外と簡単に外れる拘束具や追い詰めたところでブレーカーが落ちてしまう痛恨のミスなど、かなりアラが目立ちます。
警察の捜査が入った時には、手元から睡眠薬を仕込んだ注射器をポロリしちゃうファインプレーぶり。ギャグかよ。
すぐ感情的になっちゃうし、あまり賢そうには見えません。やっていることは外道以外の何ものでもないんですが、どこか憎めない茶目っ気が見え隠れします。
③顔はヴァンダム、声は若本
ヨーゼフ博士を演じるディーター・ラーザーはかなり特徴的な顔をしています。一言で言うとエラの張ったジャン・クロード・ヴァンダムです。目元と頬のこけたところがそっくりです。そのビジュアルはまさにマッドサイエンティスト。狂気が伺えます。
そして日本語吹き替えを担当したのは、サザエさんのアナゴ君やすべらない話のナレーションで知られる若本規夫。これまた特徴的な声で「豚野郎!」とか「俺は変態だ!」と叫ぶもんだから、いちいち気になります(いい意味で)。
好評だったらしく、続編でも予告でナレーションを務めたんですよね。
吹き替えが強烈すぎるせいで、字幕を見ると「ヨーゼフ博士、何でドイツ語喋ってるんだ?」と違和感を覚えるようになってしまいました。
そうは言ってもグロ映画
ヨーゼフ博士のキャラクターだけ抽出するとコメディ映画のようですが、ムカデ人間は立派なホラー映画です。
自分が被験者たちの立場だったら、さっさと殺してくれと願う確信があるほど凄惨なシーンがたっぷりあります。
続編はさらにぶっ飛んでいるのだから、ムカデ人間恐ろしすぎます。間違ってもお子さんの目の届くところで視聴しないでください。
見ても胸糞が悪くなるだけなので、怖いもの見たさが勝った人だけ再生ボタンを押してください!!
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