映画『たそがれ清兵衛』は山田洋次監督の”初”時代劇作品!真田広之のキレッキレの殺陣を見よ!

日本の時代劇はいま、静かに滅びつつあると言われています。

地上波で最後のテレビ時代劇だった『水戸黄門』も終了し、日本の時代劇映画も年に数本しか制作されないような状況が続いています。

その要因は時代劇ブームが去ったことはもちろん、時代劇専門の俳優がいなくなったため殺陣や馬術の技術が継承されていない、作品を制作しても精算が取れないなどの問題が横たわっているのです。

だからこそ、まだ時代劇が生きていた頃の名作を目に焼き付けてほしい!

今回ご紹介する映画は、Netflixで配信中の時代劇映画『たそがれ清兵衛』です。

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『たそがれ清兵衛』ってどんな映画?

井口清兵衛は、夕刻の終業の太鼓の音を聞くと娘たちと老母の待つ家へ飛んで帰り、亡き妻の葬儀代の借金返済のため家事と内職にいそしんでいた。

だがあることがきっかけで、幼なじみの朋江が清兵衛家へ通うことになる。

朋江への淡い恋心をいただきながら、貧しいながらに楽しい日々を過ごす清兵衛のもとに、逆らうことの許されない藩命がくだされる。

監督は『男はつらいよ』『幸福の黄色いハンカチ』でおなじみ山田洋次監督。

山田洋次監督の時代劇ですから、牧歌的でほのぼのとした庶民の生活を…

と思うじゃないですか。

ところがどっこい、そんなわけがありません!!

主人公が元JACでハリウッドスターの真田広之ですよ??

慎ましい清貧の武家の暮らしを描きつつも、キレッキレの殺陣が観られる時代劇なんて最高じゃないですか!

これが”日本の国宝”真田広之の本物の殺陣だ!

テレビなどでよくある「いかにも演技」といった殺陣も楽しいんですが、2000年代頃の時代劇映画の殺陣はかなり洗練されてきている印象です。

何より元JAC(JAPAN ACTION CLUB)の真田広之が、日本の国宝とまで言われる真田広之が演じる殺陣ですよ!

振りのスピード感、切り結ぶ刀の重み、そして見栄きり、どれをとっても惚れ惚れします。

オススメのシーンは序盤の大杉漣演じる甲田豊太郎との殺陣のシーン。

それまでうだつの上がらない平侍と見下されていた清兵衛が、実は剣の達人であることを仄めかす殺陣を見せる…

うーん、しびれます!!

これが山田洋次監督の初・本格時代劇??

僕が初めて『たそがれ清兵衛』を観たときのまんまこれです。

公開時はすでに映画界の重鎮であることを知ってはいましたが、まさか時代劇は今回が初めてで、しかもこのクオリティーとは…

『男はつらいよ』シリーズや『幸福の黄色いハンカチ』に観られるような季節の風景の美しさ、人情者としての人間の温かみに加え、超絶ハイクオリティーの殺陣が観られる!

シニア世代のみならず、20代の若い世代にも自信を持っておすすめできる時代劇です!

まとめ

冒頭でも触れましたが、これから先の日本映画では『たそがれ清兵衛』のような「庶民の生活」と「本格的な殺陣」が拝める時代劇はもう作られないのかも知れません。

だからこそ、Netflixで配信されている今だからこそ注目の一本です!

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