麻雀を知らなくても楽しめる!実写版ドラマ「アカギ」でまさかの○○編!

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高校時代、週に一回のペースで麻雀をしていました。週末になると知人の家に集まって、ポンだのチーだのカンだの朝まで盛り上がっていたのが懐かしいです。

当時、人気だった麻雀マンガといえば福本伸行さんの「アカギ」でしたね。今でもコミック誌の近代麻雀で連載中です。ちょうど「鷲巣麻雀編」が始まって数年経ったくらいでしょうか。まさか2017年を迎えても続くとは思いませんでしたね、鷲巣麻雀編。

Netflixで配信されているBSドラマ「アカギ」は、この未完の鷲巣麻雀編をクローズアップしています。1クール10話、丸々アカギVSワシズで埋め尽くされる狂気じみた内容と見所を紹介していきましょう。

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鷲巣麻雀とは?

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そもそも鷲巣麻雀とはなんぞや、という方のためにルールを説明していきます。通常の麻雀のルールは省くので、知らない方はご自身でお調べくださいませ。

 

麻雀の牌は34種4枚ずつ計136牌で構成されていますが、鷲巣麻雀では1種4枚のうち3枚が透明となっており、他者から何の牌か分かるようになっている特殊なものを使用します。

考案した鷲巣曰く、より高度な読み合いができるそうです。実際にこの麻雀牌は販売されているので、そのハイレベル(と思われる)な麻雀を楽しみたい人は探してみてください。

麻雀は通常、牌の山から一枚ずつ順番にツモっていきます。しかし鷲巣麻雀の牌ではなんの牌が積んであるのか進行中に分かってしまい「次に何を引くのかなー」という醍醐味が味わえなくなるため、卓の中央にある穴からツモることで問題を解消。

ドラ表示、裏ドラ、嶺上牌も同じです。その都度穴から引っ張ってくることで、通常の麻雀と同じような状況を作り出します。

また穴から引くときに盲牌(牌を触って何の種類か判別すること)するのを防止するよう、手袋の着用が義務となっています。

そして鷲巣麻雀は鷲巣と特定の対戦者(ドラマでいうアカギ)は、点棒のやり取りの他に高額な現金と血液を賭ける、良い子は真似しちゃいけないルールがあります。

鷲巣とアカギの双方で点棒のやり取りがあった場合に適用され、劇中では目を疑うような大金が動き、ジョボジョボと生々しい採血の音が響き渡りました。

血液を貰って大喜びの鷲巣ですが、別に医療関係者という訳ではありません。裏社会の頂点に君臨して巨万の富を得ながら、決して手に入らない若さに嫉妬し渇望する鷲巣。この老獪な悪魔の歪んだ欲望というだけです。

その財産を狙い鷲巣の屋敷に踏み入れるアカギ一行、若者の血を欲してやまない鷲巣は、この変則麻雀で雌雄を決します。

原作の雰囲気を残しつつ、キャストの持ち味を引き出した良作

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福本伸行の作品といえば、人間の深淵の心理描写に定評があります。そして、その独特なタッチでコマを躍動するキャラクターたちも人気たる理由の一つです。

どんな骨格してんだよ、という具合の尖った顔のパーツが特徴的。特に主人公のアカギは鋭利なアゴと鼻が狂気というより凶器と言うべきでしょう。

また裏の麻雀界で伝説とまで呼ばれたアカギは性格も浮世離れしていて、常人には理解できない思考を持っています。ネジがぶっ飛び、合理性とは程遠い世界で生きている鬼才です。そんな男を演じたのは注目度の高い若手俳優の本郷奏多。

2枚目の彼が演じると、どうしたって奇人変人というよりクールガイになってしまいます。しかし自身のことをよく分析しているのか、とにかく斜に構えて捻くれた少年という風にアカギのキャラクターをシフトチェンジ。これが功を奏して、マンガ原作ドラマにありがちであるチープな雰囲気を上手く隠しています。

そんなアカギのライバルである鷲巣は津川雅彦が好演。鷲巣といえば覇気のある、王者のような風格を持つ狂気の老人というイメージ(最近の原作ではネタ度が加速してますが)です。津川雅彦の風貌や所作は似ても似つきません。というか、鷲巣像をまんま体現できる俳優っているのでしょうか。

アカギと同じく鷲巣もキャラクター性に手が加えられています。不遜で尊大で大物なのに小物臭がして、単なる豪運のワガママ爺さんっぽさがあり愛嬌を感じました。そりゃ延々と対局する場面を見せられる訳ですから、視聴者に不快感を与えるような人物だとキツイものがありますからね。

また脇を固める田中要次と神保悟志も、アカギと鷲巣に振り回されるだけではないクセのある好演。ただ麻雀をするだけの絵面の中、緩急をもたらします。

原作ファンが納得するかはさておき、キャスティングは絶妙だと思います。

麻雀を知らなくても楽しめる!

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鷲巣麻雀はアカギと鷲巣の骨肉を削り合う一夜の死闘を描いたエピソードです。ドラマはそれを1回1時間×10話という無謀な構成となっており、かなり挑戦的な意欲作と言えるでしょう。ただ原作は20年近く鷲巣麻雀やってるので、そう考えると当然だともいえます。

麻雀対決がここまで長引いた理由は、細かい対戦の模様を描写しているからだけではありません。とにかく登場人物の心情とドラマティックな展開が大きなウェイトを占めているからです。

津川雅彦が小躍りすれば、田中要次が絶望し、本郷奏多が不敵な笑みを零せば、神保悟志が驚嘆する。そうです、命の削りあいという極限状態の中でせめぎ合う人間たちの物語が、そう軽々と流されるべきではありません。

こうなると麻雀というより、一進一退の攻防戦をするボクシングの名試合のような興奮があります。麻雀のルールを知らずとも、その気迫だけで十分楽しめるでしょう。

原作の言葉を借りるなら、まさに「狂気の沙汰ほど面白い」です。Netflixで好評配信中の「アカギ」を、ぜひご覧ください。

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