警部補ジョアンペーテルスってどんな話?
身も心もズタボロになって故郷に帰ってきた警部補ジョアン。しかしそんな故郷では不可解な殺人事件が起こり、のどかな街の裏には恐ろしい秘密がいっぱいあって・・・というお話。
作品のトーンは少し暗く、コメディ要素は殆ど無い骨太な刑事ドラマですね。
ポイントは主人公がCIAやFBI、はたまた特殊な機関の凄腕エージェントとしてではなく、敵(?)も世界を股にかけるテロ組織や敵国ではないということ。
「小さな村」というサイズ感は妙にリアルで、大きな組織に頼れない緊張感が常にまとわりつきます。
(このドラマはハリウッドではなく北欧制作の映画らしく、全編フランス語で語られています。
英語圏のドラマばかりみていると、最初は違和感があるかもしれませんが、すぐに慣れるかと思います。)
フランスの連続ドラマを味わおう
海外ドラマの刑事ドラマというと、大きなバックストーリーに乗っかった1話完結が主流。
すべてが濃密につながったドラマは、「シーズン1の1話からみないと理解できない」という制約があるため、よほど自信のある作品でないと制作されません。
ところが警部補ジョアンペーテルスは低予算でしっかりと作り込まれたドラマなので、日本のテレビドラマのような感覚で視聴できます。
登場する役者も主演のヨアン・ブランをはじめ原作・制作のステファン・ベルグマンスなど、日本では無名の役者ばかりで、「北欧のミステリー系テレビドラマってこんな感じなんだなぁ」と新鮮な気持ちを味わえました。
主人公が渋い(笑)
ジョアンは名前が女っぽいですが、実際にはすこしハゲたオジサンです。
疲れ切った雰囲気は「ブレイキング・バッド」の主人公ウォルターにも匹敵するほど、元気がなく、精神的にも少し追い詰められています。
しかし決断力と判断力があり、いざというときの行動力は抜群。地道な捜査力と長年の感が事件を少しずつ解決に導きます。
女子高生やら天才青年がキャッキャと解決するタイプのドラマとは真逆の位置にあり、視聴者もティーン(未成年)は相手にしていないかのような渋い作りですね。
こうした渋いドラマは全年齢をターゲットにできないというデメリットからアメリカ系のドラマではあまり制作されません。
海外ドラマが大好きな元シナリオライター。
月に100時間以上はドラマ・映画視聴に費やし、日々皆様におすすめできる作品を探している廃人です。
映画って本当にいいものですね。
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