謎だらけの物語
レオナルド・ディカプリオに激情家を演じさせたら、そうそう右に出る者はいないでしょう。主演アカデミー賞を受賞し、名実ともに演技派俳優の名誉を手に入れたディカプリオ。個人的にはもっと早くに受賞しても良かったのでは?とすら思います。
シャッターアイランドはレオナルド・ディカプリオが王子様イメージを払拭するキッカケとなった映画です。「タイタニック」「ロミオとジュリエット」の爽やかレオ様を期待して当時劇場に足を運んだ人は度肝を抜かれたでしょうね。
トラウマに苛まれる連邦保安官テディ・ダニエルズ(レオナルド・ディカプリオ)は精神に問題のある犯罪者が収容されているアッシュクリフ精神病院のある島「シャッターアイランド」にやってきました。行方不明となったレイチェル・ソランドという女性を捜索するためにテディは相棒チャック(マーク・ラファロ)と共に調査をしていくうちに驚くべき事実が明らかになっていきます。レイチェルが残したメッセージ「The law of 4; who is 67?」の意味、収容患者の証言、病院の実態。一瞬たりとも目が離せません!
マーティン・スコセッシ監督が仕掛けた謎
この映画、見れば見るほど不可解なシーンが多く「あれ?」と疑問が湧き続けます。例えばテディは調査をしていく中で様々な幻覚症状を見ます。その原因は彼自身が抱える心の闇なのか、病院で処方された偏頭痛の薬によるモノなのかさっぱりわかりません。そして幻覚と現実の境も曖昧になり、視聴者とテディの頭の中は?マークで埋め尽くされるのです。
病院に不信感を抱いたテディはレイチェルが見つかった後も調査を続けます。しかし真実が見えてくれば見えてくるほど、幻覚と現実はより見分けがつかなくなりました。エンディングまで見れば「なるほど、そういうことか」と納得できるのですが、とにかく演出が繊細でよく練られているため視聴者はガンガン騙されます。
その妙こそマーティン・スコセッシ監督の真髄でしょう。名作「タクシードライバー」で見せた人間の内側にある繊細な部分を今作でも余すことなく発揮し、それに応えるように完璧な演技をこなしたレオナルド・ディカプリオとの組み合わせは一見の価値ありです。
二回見れば全てが繋がるシャッター・アイランドの謎
シャッターアイランドを一回見ただけで、その魅力全てを語れる人はまずいないと思います。登場人物の一挙手一投足全てに意味があり、全てに理由があります。特に注目していただきたいのが表情です。謎がわからないとテディと同じように不信感が募り、不気味な恐怖心すら抱きます。しかし真実を知った上で視聴すると辻褄が合い溜飲が落ちるのです。ぜひ二回観てください。Netflixなら何回観ても料金変わらないですからね。
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