ストリーミングのコンテンツとして、初めてエミー賞を獲得した『ハウス・オブ・カード 野望の階段(原題:”House of Cards”)』。実は、そのヒットの裏側に秘められた、ある製作の経緯があるのです。今回は、物語の核心に触れる前に、その舞台裏をこっそりとお伝えしますね。
総製作費は、なんと100億円!
総製作費は約100億円。「映画はギャンブル」とはよく言いますが、よほどの覚悟と確信に満ちていなければ、テレビ番組のシリーズ作品に対し、こんなに巨額の制作費を出すことはなかったでしょう。
Netflixには、顧客がどのような番組を好んでいるかなどを分析することのできる「ビッグデータ」があります。これをもとに綿密にデータを解析し、掛けに出たのかもしれません。
製作を支えた「ビッグデータ」って、一体なに?
ところで、「ビッグデータ」とは一体なんでしょうか。総務省のまとめによると、「事業に役立つ知見を導出するためのデータ」のことを指します。
これを所有している企業として有名なのが、Amazon、Google、Facebook、Appleなどです。たとえば、Facebookはユーザーが投稿した写真、約500億枚以上の写真を処理していると言われています。
あまりに壮大で少し難しいですよね。そんな難しい「ビッグデータ」をどう活用するかによって、デジタルの時代が大きく変わってくるのだそうです。Netflixはこの「ビッグデータ」を活かし、莫大な制作費を拠出する根拠を見出したのでしょう。
デヴィッド・フィンチャー監督を指名したのは誰?
ここまでしつこく「ビッグデータ」についてお伝えしたのには、理由があります。『ハウスオブカード 野望の階段』の監督を選んだのは、Netflixのビッグデータだったのです。
本作を製作するのにあたって、Netflixは、その莫大なデータを分析。イギリスBBCのオリジナル版”House of Card”を観た視聴者は、「デヴィッド・フィンチャー監督作品とケヴィン・スペイシーが出演した映画を良く観る傾向にある」という解析結果を出したのです。つまり、視聴者の好みをそのまま反映させたことが、大ヒットするという確信へと繋がったのでした。
「作品も監督も俳優も、実はデータにもとづいて選ばれていた」というのは驚きですよね。それでも、実際の作品が魅力的なのは、やはり、製作陣や俳優の熱意や人間臭さがあってこそのものです。デヴィッド・フィンチャー監督とケヴィン・スペイシーが一緒に製作指揮をし、アイディアを出しながら作ったからこそ、伝説的な番組ができたのではないでしょうか。
(参考)The Secret Sauce Behind Netflix’s Hit, “House Of Cards”: Big Data
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