君は超キレキレのジョークについていけるか!? 「アンソニー・ジェセルニック:思いと祈り」

Netflix の最大の利点とは何でしょう? その一つとして、日本のテレビでは絶対に、そう絶対に!放映されないようなコアな番組が見られることだと言えるでしょう。

アメリカ映画の場合は、全部とは言いませんが、まずまず日本でも公開はされています。しかし、日本のテレビではまず100%やってくれそうにないのが、日本ではまったく知られていないコメディアンのショーではないでしょうか?

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Anthony Jeselnik

そのまず代表格が、今回、ご紹介するアンソニー・ジェセルニックという舌を噛みそうな激辛のスタンダップ・コメディアンです。スタンダップ・コメディアンというのは、古い言い方だと漫談、最近の言い方だと、トークのピン芸人です。

もちろん、コンビを組む場合もありますが、もっぱら一人でやる場合が多く、日本でいちばん有名なのが、今や世界のウディ・アレンでしょう。アレンはユダヤ系ですが、アンソニーは珍しいスロヴェニア系で、ピッツバーグ生まれの現在37才。

不快なジェセルニック (“The Offensive Jeselnik”) というそのものズバリの異名を売りにし、同名の番組も持っていた彼は、激辛、過激な芸風で知られています。特に有名なのが “シャーク・パーティ” という持ちネタで、Netflixによって日本でも配信されるようになった「アンソニー・ジェセルニック:思いと祈り」でも、そのネタは観ることができます。

「みなさんもジョークを言って、ウケなかったことはさんざんあるでしょう?」と彼はステージから観客に向かって語りかけます。「しかし、だからといって、僕はジョークを言うのをやめませんでした。なぜかというと、ウケないのが、おもしろいからです」とドッと「つかみ」、サメに食われて死んだ人が一人なのに、人に殺されたサメは1700万匹というのはおかしいだろ、と社会通念を逆から攻めてきます。

逆方向から来ますし、とにかくめちゃめちゃブラックです。小気味いいくらいブラックです。これは観察コメディobservational comedyと言って、なんだか日本語にすると冴えませんが、もっとピンとくる訳にすると、「日常生活観察コメディ」とでも言うんでしょう。

要は、日頃みなさんが気づいているけれど、奥歯に物がはさまったようにうまく言えないことをズバッと斬新な視点から言ってのける芸風のコメディのことで、たいていは、「みなさん、今まで気づいたことありませんかね?」という「くすぐり」で始まることが多いです。

それで「引っぱって」おいて、そのコメディアンでないと気づかないようなことを言って笑いをとる手法です。有名な春日三球・照代の「地下鉄はどう入るか考えると夜眠れなくなっちゃう」は、これと似たような感じでしょうかね。

日本のバラエティとは知的レベルが異なる

また、彼の芸風はクリンジ・コメディと呼ばれたりもするんですが、クリンジ・コメディとは、人を笑わせるというより、ぎょっと(クリンジ)させて笑えなくするのが主眼です。ミスター・ビーンなんかはこのジャンルですね。

ある意味、いろんなことを知らないと何が面白いのか分からないわけですが、その辺りも魅力の一つですね。俺はこのネタを分かるよ…というのが、ひとつの知的レベルのステータスを感じさせるわけです。

さあ、どんな毒舌でぎょっとさせてくれるのか、やや屈折した楽しみですが、Netflix ならではの日本で見られないコメディを堪能したくなったのではありませんか?!

日本語字幕でも十分楽しめますが、細かいニュアンスはやっぱり英語や向こうの文化背景ついての知識がないと難しいかもしれません。

Netflix では英語の字幕も完備されているので、是非英語の字幕でも視聴してみてくださいね!

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