あるオオカミの物語
ウォール街といえばかつてアメリカ経済の中心、いや世界経済と言っても過言ではなかった金融地区なのはご存知ですよね。
今でこそ金融機関の多くはウォール街を離れてしまいましたが、90年代のウォール街はまさに金の街。銀行、証券会社、そしてこの映画の舞台となる株式仲介会社などがひしめき合っていました。
主人公のジョーダン・ベルフォートが立ち上げたストラットン・オークモント社は。投資詐欺とマネーロンダリングで不正に設ける詐欺会社。表向きは合法な経営を謳っていますが、裏では他人の人生を食い物にしている詐欺師の巣窟です。
ジョーダン・ベルフォードを演じるレオナルド・ディカプリオは言います。
戦え!奪い取れ!
俺を軽薄な拝金主義者だと思うなら、マクドナルドで働け!そこがお前の場所だ!!
倫理や道徳なんて二の次。いかに金を儲けるか、という欲望に忠実な男です。
周りにいたら傍迷惑ですが、不思議と魅力があります。
レオナルド・ディカプリオの演技力の賜物?
もちろん、それもあると思います。しかしジョーダン・ベルフォートには普通の人間が持ちえない「生」のエネルギーを有り余るほど持ち、視聴者は引き寄せられるのです。
お金があれば何でもできる、という幻想にも似た真実
お金より愛の方が大切。
愛よりお金の方が大切。
よくある不毛な水掛け論ですね。比べるまでもありません。
お金の方が大切に決まっています。
と、まぁこれは私なりの考えですが聴いてください。
あなたは日常生活で愛とお金、どちらに触れることが多いでしょうか。
きっとお金ですよね。お金、もしくはそれに類するキャッシュカードや電子マネーを触らない日はほとんどないと思います。
では愛に触れる頻度はどうでしょう。数値化するのは難しいと思いますが、例えば誰かのことを愛おしく思ったりする回数って一生のうちにどれくらいあると思いますか?
個人差はあれど、お金に触れる回数より少ないですよね。これは現代人のウェイトが愛よりもお金に傾いていると言っていいのではないでしょうか。
そんな大切なお金を自在に操る男ジョーダン・ベルフォートに魅力を感じないわけがありません。一度くらいは彼のような人生を送りたいと思うはずです。
湯水のように湧くお金を使い倒し高級車、豪邸、ヘリコプター、妻へのプレゼントはクルーザー。男だったら誰もが夢見るハーレムも実現可能でしょう。
しかし、ジョーダン・ベルフォートにはお金の次に大切な愛が足りませんでした。
だから人を騙し、平気で贅を貪れたのです。彼にもし、一片でも人を思いやる気持ちがあれば結末は違ったかもしれません。
なぜ私がこんなことを言うのかというと、この映画が実話に基づいた話だからです。
こんな夢物語が現実にあるのかよ、と勘ぐってしまうほど生臭いメルヘン。
ウルフオブウォールストリートは憧れの物語であると同時に、自分を振り返る映画だとも思います。
あなたならどう売る?
劇中でジョーダン・ベルフォートは自分の胸からペンを取り出し、こう聞きます。
「このペンを僕にセールスしてみてくれ」
なんの変哲も無いペン。これをどう売るかだって?すぐにピンと来た方は、もしかしたらビジネスの才覚をお持ちかもしれませんね。
気になる答えはウルフ・オブ・ウォールストリートにあります。
それにしても定額動画配信サービスで、こんなに面白い映画が見られるなんていい時代ですね。Netflixで好評配信中。
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