物語の鍵は服!…服?
あなたはこの記事を読んでいる時、何か着衣していますか?もしくは暖房器具を強設定にして、生まれたままの姿で読んでいますか?おそらく99%の人が何かしら布を纏っていると思います。
人類が全身を覆っていた体毛を失い、変化する気候に対応するため服をまとい幾星霜。日本のような先進国では当たり前のように生活に浸透し、もう服なしでは生きられないと自然にインプットされていることでしょう。
そんな服が重要なキーとなるちょっと珍しいアニメ「キルラキル」の紹介です。服がテーマ、と聞くとファッションコーディネイトを中心としたキラキラ読モ下克上物語のようなものを想像してしまいますが、その要素はゼロ。学園を舞台に広げられるバトル熱、家族熱、友情熱と熱気に満ち満ちた服のアニメなんです!厚着しているという意味ではありませんよ。
世界が熱狂したキルラキル
キルラキルは2013年の10月から2014年3月まで放送されたアニメです。激アツなアニメとして語り継がれる天元突破グレンガランを手がけた主要スタッフが制作したオリジナル作品で、放送中ネットを中心に話題を席巻していたのを今でも覚えています。
特に海外人気が凄まじく、アメリカに住むとある男性が「いま、このアニメを私は裸になって見ている。もし、この情報に戸惑われた方がいたら申し訳ない。しかし、私はそれだけの覚悟を持ってこの作品にむかっているということをみんなに知っておいて欲しかったんだ。」というコメントを残すなど、日本以上に盛り上がっていた印象です。
本筋は単純明快。主人公の纏流子が本能寺学院に転校し、そこで父の仇と真相を知る生徒会長の鬼龍院皐月に喧嘩を売ることから始まる学園SFアニメです。本能寺学園生徒は極制服と呼ばれる特殊な制服を身につけ身体能力の向上はおろか、超能力級の脅威で主人公の前に立ちはだかります。
一方で纏流子も神衣という特殊な服を着て対抗し、汗なのか血なのか涙なのか激しすぎてわからないバトルを展開するのですが、ただ単に戦うだけならここまで人気が出なかったでしょう。
キルラキルは燃える「昭和」を彷彿させる新しいアニメ!
アクションが見どころのアニメは古今東西存在しますが、なぜキルラキルが支持されるのでしょうか。答えはこのアニメが懐かしくて新しい、からではないでしょうか。
今は思い出と映像の中にしかない70〜80年代。日本が夜明け前のようにエネルギーを溜め込んでいた時代です。ジャパニーズアニメーションも同じく黎明期を迎え第一次アニメブーム到来と言われているのも70〜80年代で、キルラキルはその時代のアニメや特撮をモデルにし、リスペクトした作品となっています。
例えば主人公の纏流子の出で立ちは紺色セーラー服に赤いスカーフを身にまとい、左手には指ぬきグローブと決して今風とは言えません。キルラキルがファッションアニメを騙っていたら、全国の女子高生から袋叩きにされるでしょう。
エンディングは昭和を代表する思春期女子の一人「スケバン刑事」をオマージュしていています。主人公の手首にはヨーヨーのような形状の装置が付いているのもポイント。おじさん世代は歓喜間違いなしです。
その他にも懐かしいテイストが随所にバラまかれているので一部をまとめてみました。
・変身による戦闘形態への移行。また戦闘経験や敗北による技、装備の改良がある。
⇨70〜80年代に端を発し流行した要素。
・各話のタイトルが実在する楽曲名
⇨昭和の懐メロ。
・一部キャラにお約束や決めゼリフがある。
⇨タイムボカンシリーズのヤッターマンのように展開や口上が定型化している。
・僕を踏み台にした!?
⇨セリフの随所に名作アニメのパロディがある。
・変身シーンがセクシー、至る所がセクシー(なぜか男も)
⇨キューティーハニーを元祖とした美少女バトル物の醍醐味の一つ。もちろん男の子は鼻血を出します。
・感動の鉄則「友情」「愛情」「勧善懲悪」がいっぱい。
⇨もはや鉄板の伝統芸。
セル画タッチなのもノスタルジーの琴線に触れ、まるでタイムスリップしたかのような錯覚に陥ります。一方戦闘アニメーションは大胆かつ先進的で、まるで劇場アニメのように豪快なシーンが盛りだくさんとなっています。既視感ではなく、懐かしい気分に浸れるため幅広い層に支持されているのも納得です。
アニメ「キルラキル」が見られるのはNetflixだけ!
実のところ筆者は普段ほとんどテレビアニメを見ません。視聴作品も両手で数えられるくらいです。なぜキルラキルを見るに至ったか。それはキルラキルが動画配信サービスの中でもNetflixでしか見られないからです。とにかく「限定」とか「独占」という言葉に目がなく、軽い気持ちで視聴したのがはじまり。再生ボタンを押したが最後、配信されている24話まで一気に駆け抜けてしまいました。これが時間を持て余す年末年始じゃなかったら…と考えるだけで恐ろしいです。
仮にDVDレンタルを利用していたら9本×100円(税別)がかかるところでした。定額なら見放題で返却不要。普段手にしないジャンルに手を出すなら、こういったサービスを利用するのが一番賢いと言えます。
画面からビシバシ伝わるキルラキルの熱気は文字を通して見るよりも、当たり前ですが迫力があります。底冷えが続く毎日に嫌気がさしたならお勧めのアニメです!
あなたがキルラキルを見終わった時、あのアメリカ人のように全裸になっているかもしれません。なぜかって?それは見てからのお・た・の・し・み♪…古いですね。
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