弱きを助ける系男子
いつの時代も民衆に支持されるのは、弱者を助け横暴な体制に乾坤一擲の裁きを下す英雄です。その英雄の秘匿性が高ければ高いほど人々はより魅了され語り草となり、伝説として語り継がれていくことになります。
残念ながら現代の日本には弱きを助ける系男子がいませんね。仮に現れたとしてもちょっとした変人としてyoutubeあたりに晒されるだけでしょう。
実に嘆かわしいことですが、それだけ日本が平和だという証拠かもしれません。なんだかんだいって、今の日本のままでOKというのが大多数なんだと思います。
おそらく世界的に見ても、一個人の英雄なんていうものは存在しないのが現実です。だからこそ創作の中に登場するヒーローは憧れの的となり、人気を博すのでしょう。
アメリカの小説である怪傑ゾロを原作とする映画「マスク・オブ・ゾロ」も同じく、その輝かしいヒーロー像が大ウケしてヒット作品となりました。
情熱のヒーロー、ゾロの魅力
アイアンマン、スパイダーマン、バットマン。いわゆる超人的な能力を持ったアメコミヒーロー映画市場は、ここ10年で多くの支持を受け次から次へと続編が公開されています。
また新しいヒーローに対しても歓迎ムードであり、デッドプールのような変化球的なヒーローに対しても寛容です。
一方ゾロはというと、剣術が達者で運動神経が人並みはずれている「一般人のすごい奴」的な位置づけ。X-MENに出演したとしても、おそらく並み居る人外の中に埋もれて大した活躍ができないと思います。
しかしヒーローの人気を支えるのは強さだけではありません。手から糸が出なくたって緑色の巨体に変身しなくたって、誰彼もゾロのことを好きになるはず。
ゾロの魅力というのは、むしろ現実味のあるヒーローを体現している部分にあります。鋭い剣術、セクシーで気品のある動作、ユーモア溢れるセンス、そして常に余裕綽々の態度。その全てが情熱的で、浮世離れしています。
スマートの内に秘めたる激情というのは、同じ男ならこんな風になりたいと思う理想の男性像の一つ。かっこいい男というのは、ゾロみたいなヒーローを指すんでしょう。
劇中には二人のゾロが登場します。アントニオ・バンデラスとアンソニー・ホプキンス、どちらもセクシーなゾロを好演してビシッと決めてくれました。またヒロインであるキャサリン・セタジョーンズも負けじとセクシーぶりを発揮。
もはやセクシー界のアベンジャーズです。CGを一切使わない、大迫力のスタンドアクションも見所。ロマンスあり、コメディありで抜群に楽しい映画と言えるでしょう。
再びゾロにスポットライトが当たるその日まで
近年、ゾロを題材とした作品がめっきり少なくなってきました。やり尽くされた感があるのかもしれません。しかし映画作品のリブートはこれまで何度も制作されています。007のように、主演交代で新作を撮ってほしいものです。
問題はバンデラスを超えるセクシーで熱い俳優がいるかどうか。パッと思いつきませんね。ただリブート作品というのは発表当初はファンに叩かれて、いざ公開すると案外受け入れられたりするパターンが多いと思います。
颯爽と現れ、また我々を魅了するゾロがスクリーンを席巻する日はそう遠くないかもしれません。
そんな魅力たっぷりな「マスク・オブ・ゾロ」は Netflix で絶賛公開中です。
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