「ストリートファイター 暗殺拳」格闘ゲーム好きにお勧めのアクション映画

俺より強い奴に会いに行く前の話

格闘ゲームの金字塔「ストリートファイター」は様々なメディアで、その世界観を広げてきました。ジャン・クロード・ヴァンダムが演じた、アメリカ軍人キャラクターのガイルが主人公のハリウッド映画もその1つ。

あれは中々筆舌しがたい映画でしたが、今回紹介する映画「ストリートファイター 暗殺拳」はツッコミどころをバラ撒きながらも、アクション映画として完成度の高い内容でした。。

そもそもストリートファイターは主人公を日本人の格闘家「リュウ」としながらも、多彩なキャラクターが織りなす群像劇が織りなすストーリーとなっています。

「ストリートファイター 暗殺拳」ではようやくリュウと親友のケン、師匠の剛拳らの過去が映像で語られることとなり、世界観の広がりが期待されるところです。

何より注目すべき点は、もともとファンがショートムービーとして製作していたということ。ファンからの反響により長編映画の製作が決まったところで、版権元のカプコンからオフィシャル認定を受けるまでにこぎつけたというのだから、半端じゃない情熱ですね。

「ゴーケンセンセー」「ハドーケン」語学の壁を超えた映画

この映画はかなり高度なバイリンガルトークが繰り広げられています。製作がイギリスなので、英語はもちろんのことですが舞台は日本、そして主要人物のほとんどが日本人なので日本語も多く使われています。

日常の会話で英語と日本語を使い分けている他、英会話の中で日本語を織り交ぜる時がありどうしても気になってしまうのです。

例えばリュウやケンの修業する暗殺拳という格闘術は「アサシンテクニック」などではなく「アンサツケン」と呼ばれています。もうあちこちに「アンサツケン!」とか「アンサツケェン」が飛び交います。

他にも金髪欧米人のケンは母国語である英語で喋りますが、時々拙い日本語が混じります。急に「ウマイジャン・・・」とか言われれば誰だって笑いますよ。俳優の方たち一生懸命に慣れない言語を使おうとする姿を笑うなんて、映画好きとして本当はいけないんですけどね。

恐ろしすぎる殺意の波動

映画の重要な鍵として何度も登場する「殺意の波動」という言葉。殺人拳の極意でありながら、寿命を縮め心を狂わせる禁術です。そして殺意の波動に囚われた剛拳先生の弟「豪鬼」が戦う場面は、原作ファン垂涎の盛り上がりどころ。

剛拳、そして剛拳の師匠である剛鉄は殺意の波動を心底警戒しているのですが、本当にそんな恐ろしいものなのでしょうか。尿管結石の方がよっぽど怖いんじゃない?と思ってしまいます。

しかし殺意の波動は尿管結石よりも邪悪で、決して関わってはいけないということを「ストリートファイター 暗殺拳」は教えてくれました。

殺意の波動の道を選んだ豪鬼ですが、若かりし頃は日本のサラリーマンみたいな風貌でした。近所のチーマーにすら勝てそうもありません。彼は破門され、独り山奥で殺意の波動の修業に出かけます。

その結果がこちらです。

人種変わってんじゃん!

なんてことでしょうか。色は浅黒く、髪は赤く染まり、額の骨が盛り上がっています。筋骨隆々なのは修業の成果として理解できますが、性転換手術の方がよっぽど簡単そうな変化に驚きを隠せません。

もちろん若き日の豪鬼と、殺意の波動を手に入れた豪鬼は別の俳優が演じています。原作の豪鬼の画像は載せられませんが、この日本人らしからぬ豪鬼の風貌はかなり忠実です。演じているのはなんと監督のジョーイ・アンサー氏。ファン愛ここに極まれり、です。

格闘ゲーム好きにはたまらない演出の数々

ゲームは非現実的であって然りです。その要素を映画に落とし込むと、なかなか整合性が取れず荒唐無稽な内容に仕上がってしまうのがほとんど。

しかしながら「ストリートファイター 暗殺拳」は難題を見事クリアし、迫力のあるアクション映画となっています。例えば波動拳という必殺技は、一歩間違えればチープな画になってしまうところを、設定や修業の描写を細部まで作り込むことによってかなりの説得力を持ちました。結果リュウの柔い顔立ちに半信半疑で見始めたのが嘘のように世界観へ入り込めます。

他にも「波動拳の威力はケンよりもリュウの方が上」、「原作のリュウのテーマ曲が盛り込まれている」など、とことん再現に努めているのが印象的。ファンならではのこだわりですね。

こういったファンムービーの制作はネットの普及によってかなり知れ渡るようになり、今後も増えてくることが予想されます。Netflixのオリジナルコンテンツとして登場する日がいつか来るかもしれません。楽しみなような、怖いような・・・。

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