NETFLIX(ネットフリックス)で配信中の「デトロイト」は、作品名にもなっているアメリカの都市部で実際に起きた暴動を取り上げた社会派の映画です。
白人と黒人の対立を色濃く描いた本作は、アメリカの人種問題の根底にあるものを知る意味でもよくできた作品といえるでしょう。
海外ドラマをみていて、人種問題がいまいちピンときていない人も、「デトロイト」を見れば印象が変わるかもしれません!
そこで今回はデトロイトのあらすじやみどころをネタバレ少なめにレビューしていきます。
デトロイトのあらすじ
1967年夏、デトロイドでは、アメリカ史上もっともおおきな黒人による暴動が発生しました。暴動は5日間にわたり、ミシガン州は鎮圧するために州兵を投入。43人が死亡し、1189が負傷するという大事件になります。
デトロイトでは1940年代にも暴動があり、あまり治安の良い地域とは言えませんでした。
本作は騒動中のアルジェモーテルでおこった事件を中心に描かれています。
暴動によりライブが中止になったボーカル、ラリーとその仲間は、巻き込まれることを恐れて安いモーテル(アルジェモーテル)に逃げ込みます。
するとモーテルには別の黒人4人組がいました。彼らはラリーを脅かそうとして、競技用のスターターピストル(陸上競技などで、「よーい、ドン!」で鳴らすピストル)を鳴らします。
ラリー達がビビッたことに気を良くした男たちは、今度はモーテルの窓から、白人警官にむけてスターターピストルを鳴らし、驚かせようとします。
しかしこの銃声を「スナイパーからの射撃だ!」と勘違いした白人警官が乗り込んできて・・・というのが大体のあらすじ。
白人警官を挑発した男も悪いですが、乗り込んできた白人警官も最悪で、悪い方向に歯車が回っていきます・・・。
白人が絶対悪ではないが・・・
本作は、「すべての白人が黒人を差別している」「白人は黒人をバカにしている」というものではありませんが、モーテルに乗り込んできた白人警官の行動には正直ドン引きです。
現在でも白人警官は黒人に厳しいという風潮がありますが、本作をみると、こんなことがあったのでは信頼できないなというのもうなずけます。
ちなみにデトロイトに黒人が多いのは、デトロイトが自動車産業のメッカだったからです。
しかし、本作でクローズアップされているデトロイト暴動や、日本車の普及により、自動車工場はどんどん倒産していきました。
この頃のアメリカでは、「日本人(日本車)のせいで、仕事が無くなった!」と発言されることが多く、現在とは違って日本人の印象はとても悪かったようです。
まとめ
ということで、「デトロイト」をまとめると・・・
- 1967年におこったデトロイド暴動を元にしたノンフィクション
- 黒人の反白人警官感情がよくわかる映画
- アメリカの黒人差別を知りたい人にオススメ
デトロイトは社会派の映画ですが、だらだらと流れるドキュメンタリーではないので、どんどんと引き込まれていくのがポイント。
監督はジェームスキャメロンの元妻で、K-19やハートロッカーなどのヒットで知られるキャスリン・ビグローです。
海外ドラマが大好きな元シナリオライター。
月に100時間以上はドラマ・映画視聴に費やし、日々皆様におすすめできる作品を探している廃人です。
映画って本当にいいものですね。
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