衝撃のドキュメンタリー映画「カルテルランド」

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世界で一番やばい国。一体どこが思う浮かびますか?私はメキシコです。

世界平和指数という指標では2016年時点で24位(一位はシリア。ですよね〜)と、いまいちパッとしない数字。ただアメリカの選挙でも物議を醸した国境問題、麻薬の製造量、観光客の流入量からいって国外へ及ぼしている影響はダントツだと思います。

Netflixで配信中の「カルテルランド」は、メキシコで問題となっている麻薬カルテルに対抗する自警団たちを追ったドキュメンタリー映画です。

終盤にかけて浮き彫りになっていく実態が酷すぎて、正義はどこにあるのだろうと虚無感を味わうこと間違いなしです。

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なぜメキシコに麻薬カルテルが多いのか

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そもそもメキシコが麻薬大国になったのは、二つの要因があります。

一つはアメリカの市場を独占できたこと。アメリカのお隣さんなので、コロンビアで製造した麻薬を中継することもあり、麻薬の生産ラインとパイプラインを一手に握ることができたのがかなり影響しています。

もう一つはメキシコの根幹にある超格差社会という問題。首都メキシコシティの有名なある一枚の写真。ここでは載せられませんが「メキシコ 貧富」で画像検索してみてください。壁を挟んで家屋のビジュアルが一転しているのが、よくわかります。

職がないから麻薬犯罪に乗り出す。警察官もお金がないから賄賂が横行し、野放しになっている。こんな状況下ですから、メキシコの麻薬撲滅は国家の構造を変えない限り不可能なんでしょう。

市民のために戦う自警団が実は…

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映画に登場する自警団は、市民を財産を命を守るために立ち上がり麻薬カルテルへ必死の抵抗を試みます。

麻薬カルテルは色々な地域に蔓延っており、市民に対して危害を加えることも日常茶飯事です。頼もしい自警団はカルテルメンバーの自宅に踏み込んで捕縛したり、政府からの圧力にも屈せず市民を味方につけたりと大活躍。

こういった志を持つ人が増えれば、いつの日かメキシコが浄化されるんじゃなかろうか、という錯覚すら起きます。

しかし、そんなのは夢物語です。自警団メンバーの中は麻薬カルテルのメンバー吸収しながら肥大化していき、その境界線が曖昧になっていきます。

さらに情報提供を強要するために市民を無理矢理捕らえるなど増長。自警団も例に漏れず、癒着や賄賂が横行しているのは愚か、麻薬だって扱うようになります。もはや正義も何もありません。麻薬カルテルと違う点は、何一つとしてありません。正義対悪の図式が一挙に崩れていく音がしました。

ギャングから資金援助を受けていることが発覚し、極め付けに政府お抱えの自警団として認められ、ついには「ギャングの息がかかった公僕」の出来上がり。何じゃそりゃ、ですよね。

こんな出来事がメキシコでは当たり前のように起こっていると思うと、移民問題だけではなくメキシコの麻薬=アメリカの麻薬に対する処置をトランプ氏には期待したくなります。何でも国境を跨ぐ密輸トンネルもあるらしいですよ。

衝撃のドキュメンタリー、目を背けずに

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本当に胸が痛くなるような映像の連続です。麻薬カルテルに家族を殺された市民の叫び、無惨な姿にされた者たちの亡骸。それらが余すことなく映っており、とても耐えられないかもしれません。

しかし現実に起きている世界の問題から目を背けたままでいいのでしょうか。日本でも平然と麻薬が横行している事実がある限り、決して他人事ではありません。

以前、アメ横を歩いていると黒人のニーチャンが「気持ちいいクスリあるよ」と話しかけてきたことがありました。その時は無視して通り過ぎたのですが、よくよく考えてみると人通りの多い夕方に出くわすなんて異常ですよね。

メキシコの麻薬戦争は、今なお続いています。明けることのない夜はないと言いますが、私はその言葉をイマイチ鵜呑みにできません。

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