まさにお手上げな「ハングオーバー!」って本当に大団円なのか!?

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結婚が間近に迫った独身最後の夜。あなたは何をしたいですか?

私は多分、何もしないですね。何もしないで部屋の隅っこで貯金通帳眺めながら、ただ深いため息をつくだけだと思います。

気の合う仲間とドンチャン騒ぎするのもいいですが、そもそも人付き合いがないという…そんな暗い話はさておき、基本的には独身最後の夜なんて羽目を外すには絶好の機会です。

キャバクラで飲み歩くもよし、趣味を楽しみまくるもよし。とにかくお祭りを楽しむのが一番でしょう。しかし、やりすぎは良くありません。

映画「ハングオーバー!」は、やりすぎた男たちのドタバタ劇を描いたコメディ作品。ラスベガスで過ごした一夜に起きた失敗で、とんでもないトラブルに巻き込まれていきます。

ただね、どう考えても自業自得なんですよね・・・。

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クズしかいねぇ!

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登場人物の中にゲスい奴が一人でもいると、そいつが一種のカンフル剤になることがあります。憎まれ役と言いますか、キャラ立ちして面白いんですよね。

でも、登場するメインキャスト「フィル」「スチュアート」「アラン」は総じてクズで、お腹いっぱいになってしまいました。そんなにクズはいらねぇよ、と。

まずフィル。アメリカン・スナイパーでクリス・カイルを演じたイケメン俳優ブラッドレイ・クーパーが最悪です。教師であるフィルは児童から遠足代を徴収して、それをそのままベガスでの遊び代に回します。聖職者が聞いて呆れますね。完全なる汚職です。最終的に返金したのか、しっかり遠足を敢行したのか描写がありません。多分、本人は忘れています。騒動に乗じて無いことにするつもりでしょうか。

次にスチュアート。一見常識人ですが、彼もクズです。周囲に多大な迷惑をかけているのに、誰かのせいにし続ける姿勢を崩しません。なのにラスベガスで出会ったストリップ嬢に惚れられます。こんな奴で本当にいいのか?

そして一番最悪なのはアラン。騒動の元凶です。そもそもラスベガスの夜にみんなを楽しませようと、アランが酒にドラッグを盛ったのが事の発端でした。ラリった一同で壊す、盗むは当たり前。どれだけの人が被害にあったかわかりません。しかし本人はマヌケキャラで、どこか憎めないポジションという免罪符を持っています…が、それで片付けられないほどの事件を起こしているのです。

不快なシーンの連続。なのに最後は大団円!?

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映画は一行がラリった自分たちの足跡を追いつつ、行方不明の友人ダグを探すのが主軸です。ダグは結婚式が控えており、このままでは間に合わない絶体絶命のピンチ。

フィル、スチュアート、アランの3人が血眼で探す、友情に熱い物語でもあります。

そこで自分たちの行いを清算していくなら許せたものを、とにかく友人第一で「自分たちはラリってたから覚えてない。悪くない」の一点張り。それがまかり通るなら、世界はドラッグでハッピーを振りまいているでしょう。

なんの贖罪もせず、被害者ぶった彼らのトラブル劇が延々と続きます。特に最悪だったのが警官に捕まり、釈放の代わりの子どもの安全教室に参加させられたシーン。

防犯グッズとしてスタンガンを教材に持ち出した警官は無邪気な子供達に向かって、フィルとアランに使うよう仕向けます。人に迷惑をかけたバチが当たった、と解釈もできますが、警官は悪ノリ。痛がるフィルとアランの姿を見て大喜びです。

クズがクズを罰している、という救いようの無いシーンで引きます。コメディ作品として笑えるポイントを抑えているつもりなんでしょうが・・・。

酷い仕打ちを受けながらも、なんとかダグを見つけ出し結婚式に間に合った一行は大変な1日だったと振り返り映画は終了。なぜか終わりよければ全てよし、という流れでエンディングロールにラスベガスでの悪行を収めた写真が流れます。

まるで知能指数がマントルへ到達した大学生の飲みサーの活動記録を見せられている気分・・・といえば言いすぎかな。

まとめ

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まぁ、とにかく不快なシーンが多いこの作品が、驚くべきことにシリーズ3作制作されています。アメリカ人の感性では、これが普通なのでしょうか??

さらに日本人のレビューも概ね好評で、バカ騒ぎ映画として持ち上げられているのを見ると、そりゃTwitter上で迷惑行為を自慢するバカもいるわけだ・・・と思いました。ちょっとシニカルすぎましたかね?

同じように他人に迷惑をかけまくる「ジャッカス」は、やりすぎ感はありながらも自分の行いをキチンと受け止めています。それで全てが許されるとは思いませんが、美学を感じる分いくらかマシです。

フィクション作品にマジになるのもどうかと思いますが、個人的には好きになれません。コンセプトはアメリカっぽくて、いいと思うんですけどねぇ。

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