王道な感動劇『青天の霹靂』 劇団ひとり監督の才能が凄かった

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お笑い芸人としての劇団ひとりの実力は、誰もが知っていると思います。世界観を創り上げ、引き込んでしまう芸風は物語性があり、小説家や映画監督として手腕をふるい始めたのも何ら不思議はありません。

ですが、まさか劇団ひとりに泣かされそうになるとは思いませんでした。劇団ひとりが手がけた小説「青天の霹靂」を自身の手で映画化した作品が、現在Netflixで配信されていて観たらウルウルしてしまったんですよね。

中国人留学生のモノマネからは想像もできない、劇団ひとりが送るハートフルで感動的な内容をチョロっと紹介していきましょう。

青天の霹靂のあらすじ

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晴夫は自分の人生に希望を持てずにいる、35歳で鳴かず飛ばずのマジシャンでした。

物心ついた時には母がおらず、父とも離縁。しがない毎日を送りながらも、何とかマジックのオーディションで手応えを掴み、合否の連絡を待っていると警察から父の訃報を知らされます。

抜けるような青空の下で呆然としていると、どこからともなく落ちた雷に当たり、気づくと見慣れない場所で倒れていました。そこは昭和48年の浅草。そこで晴夫は若かりし頃の自分の父と母と出会い、ルーツを知ることに…。

家族の物語は、やっぱり手堅い感動もの(モロネタバレあり)

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タイムスリップをして、自分の両親の若い頃に出会う。このストーリーを聞いて、真っ先に思い出すのはバックトゥザフューチャー(BTF)ですよね。まごう事なき名作で、私も何回観たかわかりません。

あらすじを観た時は劇団ひとりが作った日本版BTF的な感じだろうと思っていたし、大泉洋が主演で準主役に劇団ひとり自身が出るとあって、もう間違いなくモノマネ対決が繰り広げて笑わせにくると予想していました。

でも、全然違いました。

笑いを誘うなようなシーンがあっても、基本的には家族愛を描いた物語で進行していきます。

晴夫の父である正太郎は若い頃からいい加減で、それに悩まされてきた晴夫は何度も衝突。

そしてネタバレになるんですが、柴咲コウ演じる母の悦子とも出会い、それと気づかない晴夫は彼女に対して下心を抱いたりします。想像しただけでもゲンナリしますが、相手が柴咲コウじゃしょうがない。

ところどころBTFっぽいんですが、後半に悦子が晴夫を妊娠してから展開が変わります。晴夫は父から「母親は蒸発した」と聞かされていたんですが、実はそうじゃなかったということが明かされると、一気に涙ちょちょぎれるんですよ。

だいたい察しがつくと思いますが、悦子は自分の命か晴夫か、という選択を迫られます。

悦子は自分の命を捨ててでも晴夫を産みたい。正太郎も涙ながらに受け入れ、自分の息子に「母親が自分のせいで死んだ」なんて業を背負わせないよう蒸発した、なんて嘘をつくんです。

そして晴夫は自分が誰かを明かしてはいませんが、未来のことを予知できる人間として悦子の子どもがどのように成長するか、正太郎はどんな父親になるか涙ながらに語ります。

こんなん泣きますやん。

全米が泣かないまでも、人の心を持った生き物なら涙腺を弄くり回されますよ。

何本も映画を見て、何冊も小説を読んで来た私にとって非常に古風な感動物語ですが、これは仕方ない。

王道ってすごい。

キャスティングの妙と、劇団ひとりの辣腕

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大泉洋って、マルチな俳優さんですよね。

特に感情を爆発させる演技は鬼気迫るものがあり、グイグイ引き込んでいきます。

それでバラエティにも強いって、もはや無敵じゃないですかね。今年公開した「アイアムアヒーロー」の演技も素晴らしかったし、もっと色んな役所を見てみたいものです。

そして大泉洋を起用した劇団ひとりも、主人公の父親役という重要なポジションで出演。

もともと演技派芸人で通っていたし、それまでもドラマ作品で評価されていたことからも、無理のあるキャスティングとは思いません。それに映画を撮りながら出演しつつ、バラエティに出ていたって、それもう化物ですよ。

しかもビートたけしや松本人志作品と違って誰が見ても感動する、万人受け間違いなしの内容ですからね。

映画監督と呼ばれる人たちは、劇団ひとりに戦々恐々だったんじゃないですか。

私もフリーライターという立場でこのブログに携わっていますが、ここで記事書いている他の人が企業の社長でライター業もこなすYou tuberだったら嫉妬に狂う自信があります。多分サーバーがパンクするまでそいつにイタズラメールを送るでしょう。

映画の面白さとは直接関係ないものの、本腰で映画業界に殴り込んだら相当革命的だと思わせる作品でもありました。

まとめ

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劇団ひとりの初監督作品となった青天の霹靂が公開してから2年が経っています。その後新たに映画を撮るという話も出てきませんが、劇団ひとりが腰を上げた瞬間に映画会社から引く手数多になるでしょう。

今回は家族の物語なんで、次は大人の恋愛なんか描いて欲しいですね。相当歪んだ性癖を持っていそうなので、かなり変化球な物語で出来上がるんじゃないでしょうか。

青天の霹靂はNetflixで大好評配信中です。