群像劇が見たいなら「地獄でなぜ悪い」で決まり!

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あなたは何バカですか?

人間、一つくらいは熱中して止まないものがあるんじゃないでしょうか。

しかし自分のことを振り返ってみると、人生をかけて取り組む情熱の矛先って案外見つからないものです。もし持っている人は自慢していいと思います。SNSとかで。

心の中で「俺にはこれしかない」「私はこれがないと生きていけないの!」と、盲目的になってしまうことが多々あります。大概は社会の荒波に揉まれたり、周囲に同調したりすることで情熱が冷め、いつしか忘れてしまう。身に覚えがありませんか。

そんな中、いつまでも情熱の火に絶やさず薪を焚べる奴らがいます。

人はそれをバカだ、とか世間知らずだ、とか嘲るのですが実際は羨ましいんじゃないでしょうか。ひた向きに夢へ突っ走る姿は、眩しいですよね。

映画バカ、親バカ、恋愛バカ。

そんな夢追い人たちの、バカバカしくも華々しい物語。それが「地獄でなぜ悪い」です。

夢にイかれた奴ら

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映画界に燦然と輝く名作を残す、という野望を持った映画監督志望の平田純。

獄中の妻を娘の銀幕デビューで迎え入れたいヤクザ、武藤大三。

敵対するヤクザの娘に心を奪われた極道、池上純。

ひょんなことからヤクザの揉め事に巻き込まれた男、橋本公次。

一見すると、まるで接点のない奴らが映画を作るという目的のために集まります。

映画の内容は、なんと「ヤクザ同士の抗争」を描いたドキュメンタリー。

ゴシップ誌も真っ青です。

そしてラストは斬った斬られたの大乱闘。文字どおり血の雨が降ります。

それだけ聞くと、どんちゃん騒ぎのお祭り映画かもしれません。

確かにタランティーノを彷彿させる、ともすればキルビル調の刺激的な映像で視聴者を驚かせること受け合いです。

しかし、このフィナーレにはカタルシスを感じます。大人になりきれなかった大人たちが自らの矜持で散りゆく様はまさに夢うつつ。

人はこんなにもエネルギーを放出できるのだろうか、とフィクションながら圧巻です。

どうして人は夢を諦めなければならないのでしょうか。どうして人は誰かに遠慮して生きなければならないのでしょうか。

人生の主役は、自分なんだと気付かされます。

映画バカの園子温監督が晒す、生き様

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世の中にはくだらない商業的な映画が氾濫している。俺はそんな映画界に殴りこむんだ。

主人公の一人、平田純は劇中で映画に対する熱い思いを何度もぶちまけます。

この言葉はマイノリティを貫き、自らのこだわりを捨てず我が道を行く園子温監督の生き様そのものです。

「地獄でなぜ悪い」で現代の映画界に言いたいことを、全部言ってやったという声が聞こえてきます。

くすぶる現代人に見てもらいたい一本です。